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2013年4月 9日 (火)

13/04/05 黒倉山 (小松原湿原) [山スキー]

春は細革の季節です。

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先々週に引き続きritzさん主催の山行に参加させていただきました。
ritzさんがちかごろ購入したウロコ板を活かせる山に行くという事だったので、じゃ僕は細革で行きますと。
そうは言ってみたけど、今シーズン1度も履いていない。ちゃんと滑れるかな?

今日の行き先は、神楽峰より北西に伸びる稜線にある黒倉山だ。不勉強で知らなかったが、神楽から日蔭山、黒倉山をへて津南に滑り込むルートは「小松原越え」と呼ばれる由緒あるツアーコースらしい(帰りはバスでグリーンピア津南→湯沢、湯沢→みつまたと帰れるのでお徳)。
今回は、津南側はグリーンピア津南スキー場からアプローチし、小松原湿原を経て黒倉山までを往復するルートだ。今回のように歩き系の道具であれば傾斜の緩やかな津南側からアプローチしたほうが楽しいだろうという読み。


各人の道具は以下

   malo (テレマーク)     : K2 TotallyPiste (185cm,ウエスト65mm) + SCARPA ローガン(革)
   ritzさん (テレマーク) :  MADSHUS ANNUM (165cm,ウエスト78mm、うろこ付き) + SCARPA T2
   えむとらさん (TLT)  : Rossignol B2 Bandit  (160cm,ウエスト78mm)

見事に特性も得意分野もバラバラだ、しかもritzさんはあえてシールは持っていかないとの事。さてさてどうなることやら。

6:00 出発
前日仕事を終えたのが21時、用意をすませ家を出たのが0時、現地到着が4時。集合時間は4時半だったが、さすがに完徹で山に入るとヨレヨレになるので1時間だけ仮眠を取らせってもらってから出発とした。
まずは誰もいないゲレンデを登っていく。
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しっかりと圧雪されてて登りやすい。凍った雪面だとウロコが効かないようでritzさんはピステンのかかってない部分を登っていた。シールとウロコではやはり特性が違う。

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スキートップより、進行方向。一番右のピークが本日の目的地黒倉山、一番高いピークの向こうが神楽峰になる。黒倉山へは、目の前に広がる雪原を抜け、右側の緩やかな稜線を登っていくことになる。

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この雪原、雪の無い時期は畑として使われているようだ。
ところどころにある段差をかわしながら、進んでいく。

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畑の途中、何箇所か車が埋まっていて、いい目印になる。ちょっとパークぽい雰囲気だ。

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畑歩きに飽きたあたりで、緩やかなブナ林の尾根になる。今回はツアーモードの無いビンディングだがちょうど良い傾斜で登りやすい。

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9:00 下ノ代 到着
小松原湿原は大きく3段に分かれていて、上から上ノ台、中ノ台、下ノ代と呼ばれている。夏の間はどんな風景なんだろうか。

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湿原には立派な白樺もあった。風景を堪能しながら休憩。

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再びブナ林の稜線をたどり、次の湿原を目指す。
いつもの板であれば、直登できる傾斜だが、本日は細板。シールのグリップが足りず、ゆるいジグを切って登る必要があった。おまけにヒールリフターのプラスティックに亀裂が入ってしまい、リフターを起こせないのがつらかった。

傾斜が緩やかな場所は3ピンの軽さは大きなアドバンテージだが、傾斜がきつくなるとつま先を曲げる量が増え、そのアドバンテージは消えていく。一定以上の傾斜であれば雪面を滑らせることの出来るツアーモード付きのビンディングのほうがあきらかに登りやすくなる。

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10:15 中ノ台通過
杉の疎林でつまらなかったので、休憩もせずにそのまま通過しそのまま上ノ台へ向う。

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10:30 上ノ台到着
夏の間は湿原が広がっているであろう広い雪原の真ん中を突っ切っていく。黒倉山もうすぐそこ。

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と思っていたら、最後の斜面が思いのほか急登で時間がかかってしまう。
いつもの板なら直登なんだけどなーと思いながら、ジグを切りながら登っていく。その上ジグを深く切ると革靴がよれてエッジが逃げてしまうため、気を使う必要があった。
つぼになったほうが速そうだったが、ウロコのritzさんがそのまま登っていたのでこちらも負けじと山頂までシールで登った。

11:30 黒倉山山頂到着

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山頂より南側。神楽峰と苗場山が並んで見える。苗場山の北面をこんなにはっきり見たのは初めて。滑走記録は何度か見たが、なかなかハードな斜面だ。

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山頂より西側。正面に鳥甲山、左奥に見える白いピークは岩菅山だろう。

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                                                                                                                              photo by えむとら
ほぼ無風だったので山頂でそのままお昼ご飯。各自温かいものを作って食べる。ritzさんはエスビット、えむとらさんはアルコールバーナー、僕はEPIをこれまたバラバラ。火器の選択にも微妙に個性がでていて面白い。
久しぶりの革靴のせいか内腿の筋肉がひどく張ってしまった。時間もあるので、ゆっくりと体を休めることにした。


13:00 山頂出発 休息は十分、滑りを楽しもう。
とはいえ体が細革の滑り方を忘れていて山頂直下の急斜面は辛かった。

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                                                                                                                              photo by えむとら
両足を雪面から離さないように、膝カックンと花魁歩きを意識して滑るようにすると、なんとか様になってきた。

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ritzさんもテレマークで攻める。本人はうまく滑れないとボヤいていたけれど、滑っているうちに目に見えて上達していった。

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えむとらさん。細い板は滑りにくいなんて言ってましたが、それ全然細くないですから。

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上ノ台到着。傾斜がほとんど無いので漕ぎになるが、こういう場面でウロコは強い、 ritzさんはあっという間に見えなくなった。

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TLTでテレマーク風に滑ってみせるえむとらさん、器用だ。
日当たりの良い面はストップ雪になっていた。

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テレマークのお約束、前転の瞬間。

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中ノ台から、下ノ台へは、登ってきた尾根横の谷を滑ってみた。
雪はザラメで調子よく滑ってくれる。
                                                                                                              film by えむとら
気持ちよく滑っているように見えるが、本人はかなり必死です。
ココはホントに怖かった。

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                                                                                                        photo by えむとら
で、やっぱりこける。
沢筋の雪はかなりユルくなっていて、外足アウトサイドが引っかかりやすい状態。深回しをせず外足は親指側でしっかり押さえると意識しているのだが、どうしてもエッジが逃げてしまう。
バイクで言うところのハイサイドのように何度か吹っ飛ばされた。

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トラバースしながら滑りやすそうな面を落としてまたトラバースを繰り返した。
テレの二人が先行したので、多少のアップダウンを気にせずルート取りをしていた。えむとらさんはつらかったかも知れない。

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せっかくのウロコなんだからと、登り返して滑るritzさん。
テレマークを履いていると、よさそうな斜面を求めて積極的に横移動をかける傾向があるが、ウロコの場合はさらにそのまま登れてしまう。もちろん傾斜や雪質によっては登れないこともあるが、今回の黒倉山のような緩やかな山では、 とても強い武器だと感じた。
15:00 畑地帯に到着、広い雪原で気持ちが良いのでしばし休憩。

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ぽかぽかした陽気の中、気を抜くと寝てしまいそうになる。こんなのんびりしたツアーも楽しい。

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畑を抜けたら本日のツアーは終了。
スキー場帰着は、15:30。
歩いた距離は長かったが標高差が少なめだったせいか、あまり疲れは感じなかった。
今回のツアーは、細革やウロコ、テレマークという道具について考えるいい機会になった。もちろん何を使っても楽しければOKだと思うが、やっぱり山の形状や山行形態によって向き不向きは出てくる。そんなことをそのうちまとめてみたいと思う。
本日の行動時間9時間半、移動距離20km、獲得標高約1000m。

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コメント

細革楽しそうだなあ
今年はまだ乗ってません
出動させるかな

まとめてみたいと思うんだ>>>期待してまっせ

>えむとらさん
ギク...... ま、そのうちですね。

>Qちゃん
細革の滑りを思い出すまで、えらく怖かったです。
リフト1本でいいからゲレンデで乗ってから山のほうが良いかもだよ。

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